2014年4月のNABで初公開されたQuickTimeベースの放送ソフトウェア、ToolsOnAirのインジェストソリューション、 「just:in」(ジャストイン)の新バージョンが出荷開始となりました。
- Long-GOPフォーマットに対応
- 各インジェストチャネルごとに最大2キャプチャインスタンスの設定が可能。
たとえば、各HD-SDIフィードソースから、キャプチャ1でXDCAM HDをキャプチャ中に、キャプチャ2ではH.264で収録するなど、より多様で複雑なワークフローへの対応が可能になりました。
新しいjust:in multiエンジンにより、XDCAM HD, XDCAM HD 422, AVC-Intra 50M / 100Mでの収録に対応。これらはMXFコンテナでの収録に対応するほか、H.264はMP4またはQuickTimeコンテナでの収録が行えます。
複数の収録先パスの設定が可能になり、様々なワークフローに対応できるようになりました。
メイン収録データの保存先や、リファレンスムービーデータ、XMLパスをそれぞれ個別に設定することができます。また、パスは通常収録先と予備となるフォールバックパスも設定できます。
オプションキーまたは[F3]キーを押すことでクリップのスプリット機能が有効になります。録画ボタンが縦線が入ったスプリットモードに変化します。クリックするとXMLをもとに新しいファイルを生成します。
ストレージ容量が不足した際のフォールバック記録先の設定が可能。
収録中ファイルのフェイルハンドリングを改善。Hi-ResおよびXMLファイルのフォールバック保存先の設定により、ネットワーク接続の問題や、電源供給の問題、ストレージ容量不足などの問題に備えることができます。このようなフォールバック先への書き込みでも、just:inはフレーム精度を保ったままフォールバック先への収録を継続することができます。
XMLによりメタデータのカスタマイズが直感的に行えるようになりました。対応するメタデータと記述メタデータがQuickTimeやMXFファイルと連動して扱うことができます。メタデータを直接QuickTimeファイルに編集したり、サイドカーXMLファイルと共にMAMに受け渡すことも可能です。
収録完了をトリガとして実行されるスクリプトとの連動・連携に対応。システムカスタマイズの幅を拡げます。
クラッシュレコーディング時でも、最大キャプチャ時間に達しても、クリップが自動追加されるようになりました。
また、デフォルトでこの設定が有効にされており、マニュアルで選択する必要がなくなりました。
AJA製キャプチャデバイスの音声・映像信号の自動検出および、Blackmagic Designカードの16ビット、24ビット音声の自動検出に対応しています。
メタデータの柔軟性を高めるため、クリップを選択して適切なメタデータセットを選ぶことでメタデータセットを適用することができます。
QuickTime 7 (FCP7用)のQTリファレンスムービーとFCPX対応のQTリファレンスムービーの両方に対応しました。
- Apple FCP X
- Adobe Premiere Pro CC
- Adobe Prelude CC
Thunderbolt2機器への対応も強化されました。
AJA Io 4K (ドライバ10.6以降)
Blackmagic Design UltraStudio 4K (ドライバ9.9.3または10.0以降)
Mac Pro models (MacPro6,1) OS X 10.9のみ
「just:play」はビデオや静止画といったファイル化されている素材やテロップグラフィックス以外に、スタジオからの信号や、中継されてくる信号など、外部から入力される信号素材も送出用のソースとして取り扱うことができます。
ミキサーやビデオルーター操作によるオーソドックスな手段や、ビデオ入出力デバイスのパススルー機能を設定して実現することが可能です。以下にライブ信号を取り扱う方法を挙げています。
AJA社製ビデオ入出力デバイス内蔵のダウンストリームキーヤー機能を切り替えることで出力をQTムービープレイアウトからライブソースへのスイッチングを行う方法。
前述のAJA製機器のダウンストリームキーヤー機能とルーター制御とGPIイベントを設定することでパススルーモード利用時の複数ライブソースの切り替えを行う方法。
ルーター制御とGPIイベントを設定してQuickTimeムービー送出とパススルーモードの切り替えを行います。
送出とテロップは別々の端末から実行されますが、送出に関する制御は単一のユーザーインターフェイスから操作されます。
(注意) この構成例では、さらにルーターを制御することで「just:play」を単なるプレイヤーとして動作させることができます。
ToolsOnAir「just:play」(ジャストプレイ)送出アプリケーションで番組定時自動送出システム(APC・APS)を構築する場合の構成例です。編成管理の操作の規模や冗長性への要求や予算に応じて変化するシステム構成の代表例を挙げました。
シンプルなグラフィックオーバーレイのみに対応した最小構成例です。
同一システム上に「just:play」、 「just:connect」、「just:out」の3つを動作させています。
番組の編成とスケジュールの操作端末と、信号の送出系を分離させたシステム構成です。この例では、「just:play」のユーザーインターフェイス画面でスケジュールを組む作業はiMacで行い、送出用のシステムには「just:connect」、「just:out」を動作させ、それぞれをipネットワークで接続しています。
冗長性をもたせるために、2セットのMac miniを現用系、予備系の送出機とし、それぞれに「just:connect」、「just:out」をインストールしています。現用、予備ともに常時「just:connect」が動作しますが、通常は「 just:out」はマスター(現用)のみで動作し、予備機ではスタンバイさせます。マスター側で問題が発生した場合に予備機が送出を引き継ぐことができます。「just:play」での編成管理は複数の端末から操作可能です。この構成は多チャンネルでの運用が必要な場合にも応用が可能です。
同一ネットワーク上に複数の「just:out」エンジンを配置した、より複雑なシステム構成例です。「just:connect」専用機をハブとしています。
最小構成例のように「just:play」、 「just:connect」、「just:out」を同一システムで運用することは可能ですが、これらを別端末で運用することにより、特にGPUおよびCPUへの負荷を分散・低減できる利点があります。また、送出系に関わる重要なエンジンに対する人為ミスによる影響を分離できます。また、複数の端末でUIを動作させることでフェイルセーフ化の効果も高まります。「just:connect」はエフェクトおよびビデオの各レイヤに対して相互にスレーブエンジンを設定することができ、送出機の物理的な故障に対する予備機による運用続行性を持たせています。
複数の「just:play」から同一のチャンネルを同時にコントロールすることはできますが、操作が反映されるのは、先着順を基本とした動作になります。「just:play」UIをエンジンから分離させることで、「just:play」端末の電源オン・オフを送出に影響をおよぼすことなく行えます。
(注意) 複数のチャンネルを単一の「just:connect」インスタンスから管理は可能ですが、すべてのチャンネルが同一の「just:connect」から管理されている場合には同一のタイムベース(フレームレートおよびインターレース方式)で動作させなければなりません。
ビデオ信号の入力とキャプチャ機能を提供するモジュール・アプリケーション
TOA-JUSTIG |
just:in GUI (ジャストイン |
マルチチャンネルビデオ信号を同時にキャプチャするためのGUIアプリケーション。 BMD、Matrox、AJAのキャプチャカードやボックスに対応。 ※要・入力数に応じた Ingest Channel (別売) |
・MacOSX10.6.4以降 ・Mac Pro 3.1以降 ・RAM : 4GB+(推奨8GB+) ・転送速度を満たすRAIDストレージ |
TOA-JUSTIC |
Ingest Channel (ジャストイン用インジェストチャンネル) |
just:in および LiveCut の入力チャンネル拡張ライセンス。 例 : 4入力対応の BMD Decklink Quad を使用する場合に、4ライセンス用意することで4系統のHD-SDI信号を同時並行キャプチャが可能。 |
・BMD Decklinkシリーズ他 ・Matrox Multi in、MXO2シリーズ ・AJA KONAシリーズ |
ライブ放送を行うためのスイッチング・アプリケーション
TOA-LIVE4 |
LiveCut/GPI 4ch (ライブカット ジーピーアイ4チャネル) |
ライブプログラム向けスイッチングアプリケーション。GPI接点を4系統切り替え可能。ビデオ入力のライン数分のIngest Channelアプリケーションが必要。各社のスイッチャーとの併用が可能(BMD ATEMを推奨) | ・MacOSX10.6.4以降 ・Mac Pro 3.1以降 ・最低4GBのRAM(8GB以上を推奨) ・転送速度を満たすRAIDストレージ |
TOA-LIVE8 |
LiveCut/GPI 8ch (ライブカット ジーピーアイ8チャネル) |
ライブプログラム向けスイッチングアプリケーション。GPI接点を8系統切り替え可能。ビデオ入力のライン数分のIngest Channelアプリケーションが必要。各社のスイッチャーとの併用が可能(BMD ATEMを推奨) | |
TOA-CFSUD |
Cable from Switcher to USB device (スイッチャーtoUSBデバイスケーブル) |
各社の対応スイッチャーをLiveCutアプリケーションから制御するための専用接続USBケーブル | ・対応スイッチャーのみに使用可能(BMD ATEM以外は要問合せ) |
放送送出アプリケーション
TOA-JUSTP | just:play | ジャストプレイ | 放送サーバーにアップロードされた番組をスケジュールを組み自動送出。テロップレイヤーは別売 | ・Mac Pro、Mac Book Pro ・4GB以上のRAM ・MacOSX10.6.4以降 ・対応のATIまたはNVIDIAのGPU ・BMDまたはAJAのビデオインターフェイス |
TOA-JUSTP2G | just:play Bundle includes 1 video, 2 Graphics Layer |
ジャストプレイバンドル2G | just:playに肩乗せテロップなどに使用できる2チャンネルのグラフィックスレイヤーをバンドルした製品。グラフィックスデータの作成には別途CompositionBuilderが必要 | |
TOA-JUSTL | just:live | ジャストライブ | 放送サーバーにアップロードされた番組をスケジュールを組み自動送出。テロップレイヤーは別売 | |
TOA-JUSTL2G | just:live Bundle includes 1 video, 2 Graphics Layer |
ジャストライブバンドル2G | just:liveに2チャンネルのグラフィックスレイヤーをバンドルした製品。 グラフィックスデータの作成には別途CompositionBuilderが必要 |
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TOA-AGL | Additional Graphics Layer | ジャストライブ・ジャストプレイ用追加グラフィックレイヤ | just:playとjust:live専用のグラフィックスレイヤーの追加モジュールアプリケーション。 最大1チャンネルあたり4レイヤーまで拡張します。 | ・just:play、just:live環境においてのみ動作 |
システム構築時に必要な各種接続アダプター
TOA-MOSG | MOS Gateway | モスゲートウェイ | 報道システムとの接続 | ・ハードウェア製品 |
TOA-RC | Router Control | ルーターコントロール | ビデオルーター制御モジュール | ・just:play / ・just:live / ・Aadditional graphics layer必須 |
TOA-GPIB | TOA GPI BOX | ツールズオンエアGPIボックス | GPI接点専用接続ボックス | ・LiveCut/GPI 4ch ・LiveCut/GPI 8ch |
TOA-CC | Closed Captioning | クローズキャプショニング | クローズド・キャプション追加挿入 | RGBA mode |
ステーションロゴを含むキャラクター生成アプリケーション
TOA-CB | Composition:Builder | コンポジションビルダー | Photoshop(PSD)、Apple Quartz Composer(QTZ)に対応したグラフィックス作成アプリケーション。 | ・Intel Mac / OS 10.6.4以降 ・RAM : 4GB以上 / ・GMA950とX3100以外のATI / NVIDIA GPU |
TOA-CMT | カスタムテンプレート制作 |
TOA-SOB | システム構築 | システムの構築とコンサルティングサポート |
TOA-MMC | 年間サブスクリプション契約 | ご購入から1年間においてリリースいたします次期バージョンソフトウェアや、メンテナンスリリースのアプリケーションを契約期間中に提供いたします。(必須) |
1本製品を使用して放送システムを構築する場合、別途MacProコンピュータ、ディスクアレイ、ルーティングハブとスイッチャー、GPIBインターフェイスが必要です
2システムの構築には綿密なお客様とのヒアリングが必要です