12章2 P5 -トラブルシューティング- 設定の復旧とディザスタリカバリ
ホストシステムに存在するP5の全ての設定は、各バックアップジョブを実行する際に自動的にバックアップデータと一緒に保存されます。P5の設定値の内容は一般的な設定値(クライアント、データベース、ライセンス、ログインエリア、ユーザー設定)と、ジョブやストレージ管理(アーカイブ、バックアップ、シンクロナイズプラン、フィルター、ハードウェア設定、ドライブ、チェンジャー、ボリューム)にまつわる設定値を網羅しています。これによりシステムをいつでもリストアでき、過去の設定やバックアップにアクセスする事ができます。
P5は万一のホストシステムのクラッシュなどが発生しうること前提に、P5の設定を完全な状態へ瞬時に復旧できるように設計されているので、一からP5のセットアップをやり直さずに済みます。
システム復旧の手順
ブラウザの右上にある「P5」メニューから「リストア設定」を開きます。
ホストシステムのクラッシュの直後や、新たにP5インストールを行う際は、デバイスからハードウェアへのパスは新たに設定しなければなりません。その場合、ボリュームを持つドライブへのパスを入力しなければなりません。
以下のテーブルはOSドライブへのパスの例です:
- macOS … /usr/local/aw/conf/dev/awst0 (P5により生成されたファイル)
- Solaris … /dev/rmt/0cn
- Linux … /dev/sg0
- Windows … {\\.\Tape0} (Windowsデバイスマネージャでデバイスが有効にしてからこの書式を使用してください)
{\\.\Scsi1T2L0} (デバイスマネージャでデバイスを無効にしてからこの書式を使用してください。Scsiは最初のアダプター、 T2は SCSI ID 2、 L0は LUN 3を意味します) - Virtual juke box … /media/mydisk/PresSTORE_Volumes/10084/
/C/VirtualJukebox/10084 (ディスクファイルに通じるパスを入力します)
デフォルトでは直近の設定がリカバリされます。過去の設定をリカバリする場合、ボリュームに記載されているブロックナンバーを入力します。ボリュームのブロックナンバーはバックアップのログに記録されています。
また、設定をリストアを実行する際は、現在の設定に上書きされますのでご注意ください。
12.2.1 ディザスタリカバリ
ディザスタリカバリは、クライアントまたはP5サーバーがクラッシュしてしまった時に実行してシステムを復元します。
バックアップされたクライアントのデータは、新たにインストールされた物を含めて、どのマシン、クライアントでもリカバリする事ができます。リカバリは「リストア」の実行で可能です。※詳しくは8章1「バックアップからのデータのリストア」を参照ください。
新たなシステムのインストールや、クラッシュしたシステムをリカバリするには、以下の手順に従ってください:
- 新たなシステムをインストールします。(P5インスタンスも含む)
- P5設定をリカバリします。(※12章2「設定のリストア」を参照ください)
- バックアップ、アーカイブインデックスをリカバリします。
バックアップやアーカイブインデックスは新たにインストールされたP5サーバーには存在しないため、過去のバックアップからリカバリする必要があります。
バックアップインデックスは自動的にバックアップと共に保存されるため、「データベースのチェック」によってリカバリできます。※詳細は6章12.4.2「データベースのチェック」を参照ください。
ディザスタリカバリの場合バックアップインデックスが有効でないため、段階1に自動的に起こるインデックスの修復は実行されず、段階2を自動的に開始します。この段階では、インデックスのリカバリに必要なボリュームが確認され、P5メディアマネージャが認識できるようにします。
次にバックアップインデックスはバックアップメディアから読まれ、P5サーバーにリカバリされます。
バックアップインデックスとは異なり、アーカイブインデックスは「インデックスのチェック」によって修正されないため、自動的に保存されないように、自動的にはリカバリされません。
問題が生じたときのため、バックアップからリカバリできるよう、バックアッププランでアーカイブインデックスもバックアップする事を推薦します。
アーカイブプランによってアーカイブインデックスが保存された場合、「リストア」でのリカバリも可能です。
(※8章1「バックアップからデータをリストア」を参照ください) - 以上でP5サーバーのリカバリが完了し、通常運用に戻ることができます。