Archiware P5 Archive DLM

P5 Archive DLM

データを自動で階層管理するP5 Archive用拡張モジュール

Archiware P5 Archive DLM(Data Lifecycle Management)は、P5 Archiveによりアーカイブされたデータを設定したポリシーによりデータの利用状況に応じて、高速ストレージから大容量・低コストストレージへ自動的に移動し、ストレージ全体を効率よく運用するためのデータライフサイクル管理機能を追加するArchiware P5 Archiveのアドオンモジュールです。

制作中のデータは高速なストレージに保持し、一定期間アクセスのないデータはNAS、LTOテープ、クラウドストレージなどへ自動的に移動または複製します。データの保存場所を意識することなくアクセスできるため、ストレージ容量の最適化と運用負荷の軽減を同時に実現します。

アーカイブデータの保存先は、導入時に決めて終わりではありません。データ量の増加、LTOテープの世代交代、ストレージコストの変化、クラウド利用方針の変更などに応じて、保存場所や複製数を見直す必要があります。

さらに、アーカイブボリュームの検証、プロジェクト単位のストレージ使用量分析、日付やメタデータによるデータ選択などにより、長期間にわたるアーカイブ運用を支援します。

P5 Archiveでアーカイブを長期保存し、P5 Archive DLMで保存後のライフサイクルを管理することで、データを整理された状態に保ちながら、ストレージコスト、冗長性、保存期間、将来の移行計画を継続的に管理できます。

P5 Archive DLMの主な機能

  • アーカイブプールのボリューム検証
  • ディスク、LTOテープ、クラウド間の自動データ移行
  • ポリシーに基づくストレージ管理
  • 日付、保存場所、メタデータを使用したデータ選択
  • プロジェクト単位のストレージ使用量分析
  • チェックサムを使用したデータ整合性確認
  • 古いP5バージョンで保存されたファイルの読み取り検証
  • 長期間にわたるマイグレーションジョブの履歴管理

設定したポリシーに基づいて、データを自動で階層管理

P5 Archiveは、完了したプロジェクトや使用頻度の下がったデータを、高価な制作ストレージやファイルサーバーから、ディスク、LTOテープ、クラウドなどのアーカイブストレージへ移行するモジュールです。

制作ストレージからアーカイブへデータを移すことで、オンラインストレージの空き容量を確保し、日常的なバックアップの対象容量や実行時間を削減できます。

P5 Archive DLMは、その後のアーカイブデータを管理します。

たとえば、最初は高速なディスクへアーカイブし、一定期間が経過したデータをLTOテープへ移行する運用や、重要なデータをLTOテープとクラウドの両方へ保存する運用を自動化できます。

P5 Archive DLMでは、主に次の2つの方法でアーカイブデータを処理します。

アクセス日時、更新日時、ファイルサイズなどの条件に基づき、データを自動的に適切なストレージ階層へ移動します。

頻繁に利用するデータは高速ストレージへ、利用頻度の低いデータは低コストな保存領域へ配置することで、ストレージ全体の効率を高めます。

移動

データを既存のアーカイブストレージから新しいアーカイブストレージへ移行します。対象ボリュームに保存されているすべてのデータの転送が完了すると、元のボリュームを削除または再利用できる状態になります。

古いLTOテープから新しい世代のLTOテープへの移行、ディスクからLTOテープへの階層化、クラウドサービスの変更などに利用できます。

コピー

既存のアーカイブデータを残したまま、別のアーカイブストレージへ複製します。保存先を追加して冗長性を高めるため、同じデータを異なるLTOテープ、別拠点のストレージ、クラウドなどへ保持できます。

BCP対策、ディザスタリカバリ用コピーの作成や、異なる種類のストレージを組み合わせた多層的なアーカイブ構成に適しています。

データの重要度、再利用頻度、保存期間、ストレージコストに応じて保存先を分けることで、階層型のアーカイブ環境を構築できます。マイグレーションプランは定期的に実行され、事前に設定した条件に該当するデータを自動的に選択します。


条件指定によるデータ選択

長期間運用しているアーカイブには、さまざまな年度、案件、顧客、データ形式のファイルが混在します。P5 Archive DLMでは、単純に「一定期間が経過したすべてのデータ」を移行するだけでなく、P5 Archiveのインデックスに対してクエリを設定し、条件に該当するデータだけを選択できます。

たとえば、次のような条件を使用できます。

  • 指定した日付より前にアーカイブされたデータ
  • 特定のフォルダーまたはディレクトリに含まれるデータ
  • 特定のプロジェクトに属するデータ
  • 顧客名、制作年度、保存区分などのメタデータが設定されたデータ
  • 複数のメタデータ条件に一致するデータ

移行予定のデータにあらかじめメタデータを設定し、その値をマイグレーションプランの選択条件として使用することもできます。

これにより、「一定期間が経過した完了案件をディスクからLTOへ移す」「重要案件だけをクラウドへ追加コピーする」といった、運用方針に沿ったデータ管理を自動化できます。


プロジェクト単位のストレージ使用量分析

P5 Archive DLMは、P5 Archiveのインデックスに対するクエリを使用して、アーカイブストレージの使用状況を分析できます。

プロジェクト、顧客、部門、年度、フォルダーなどの単位で、保存されているファイル数やデータ量を集計し、ストレージ使用量の増加傾向やデータの分布を確認できます。

分析条件は定期的に実行でき、結果をP5のダッシュボード上に表示できます。TSV形式でエクスポートして、表計算ソフトや外部の分析ツールで利用することも可能です。

集計処理は自動的に更新されるため、次のような用途に利用できます。

  • プロジェクトごとのアーカイブ容量を確認する
  • 顧客や部門ごとのストレージ使用量を集計する
  • 保存データの増加傾向を把握する
  • 将来必要になるLTOテープやクラウド容量を予測する
  • 保存コストの配賦や社内報告に使用する
  • 容量の大きいプロジェクトを特定する

単にストレージ全体の空き容量を見るだけでなく、「どのプロジェクトが、どの程度の容量を使用しているか」を把握することで、アーカイブ容量の追加や保存先の見直しを計画しやすくなります。


ジョブ履歴

数十TBからPB規模のアーカイブデータを移行する場合、処理が複数日または長期間にわたることがあります。P5 Archive DLMでは、マイグレーションプランごとに実行されたジョブの履歴を確認できます。

どのデータが処理されたか、処理が正常に完了したか、どの程度まで移行が進んでいるかを日ごとに追跡できるため、大規模なLTO世代移行やクラウド移行の進行状況を把握できます。

ジョブを複数回に分けて実行する場合にも、過去の実行結果を確認しながら、移行全体の進捗を管理できます。


アーカイブボリュームの検証

長期アーカイブでは、データを書き込んだ時点だけでなく、数年後も正常に読み出せることを確認する必要があります。LTOテープ、ディスク、クラウドのいずれを使用する場合でも、メディアの経年変化、機器障害、通信エラー、ストレージ側の問題などによって、保存データを読み出せなくなる可能性があります。

P5 Archive DLMのボリューム検証機能では、アーカイブプール全体や一部のデータを読み出し、保存データの整合性を確認します。検証対象は、アーカイブ日、保存場所、メタデータなどを条件に選択できます。すべてのデータを一度に検証するだけでなく、年度、プロジェクト、テープセットなどに分けて定期的に確認する運用も可能です。


LTOテープの世代移行

LTOテープは長期保存に適したメディアですが、長期間運用する間にドライブやメディアの世代が更新されます。新しいLTO世代では1本あたりの記録容量が増加するため、複数の古いテープに保存されていたデータを、少ない本数の新しいテープへ集約できます。P5 Archive DLMを使用することで、保存時期、テーププール、プロジェクト、メタデータなどの条件で対象データを選択し、新しいLTO世代へ段階的に移行できます。

たとえば、次のような運用が可能です。

  • LTO-7やLTO-8から新しいLTO世代への移行
  • 古いテープライブラリから新しい装置へデータを移す
  • 複数の小容量テープを少数の大容量テープへ集約する
  • 移行と同時に新しい冗長コピーを作成する
  • 移行完了後に古いテープを廃棄または再利用する

LTOドライブには読み取り可能な世代の制約があるため、古いテープを読み出せる装置が利用できる間に、計画的な世代移行を行うことが重要です。P5 Archive DLMでは、アーカイブインデックスを維持したまま保存先を変更できるため、移行後も従来と同じ検索画面からデータを検索・リストアできます。


ディスク、LTOテープ、クラウドを組み合わせた階層管理

P5 Archive DLMは、特定のストレージ方式に限定されません。アクセス速度が高く大容量のディスク、長期保存性とコストに優れたLTOテープ、遠隔地やオフサイト保管が可能なクラウドには、それぞれ異なる特性があります。これらの特徴を自動化しながら構造的に活用することができます。

P5 Archive DLMでは、データの価値、使用頻度、保存期間、取り出しに必要な時間、ストレージコストなどに応じて、保存先を変更できます。

たとえば、完了直後のプロジェクトを一定期間ディスクへ保存し、その後LTOテープへ移行する構成や、LTOテープに保存した重要データをクラウドへ追加コピーする構成が可能です。

すべての保存先はP5 Archiveのインデックス上で一元管理されるため、データの保存場所が変わっても、ユーザーは同じ検索環境から目的のファイルを探せます。


このようなアーカイブ運用に適しています

  • アーカイブ済みデータが増え続け、保存先の管理が複雑になっている
  • 古いLTO世代から新しいLTO世代へデータを移行したい
  • ディスク、LTOテープ、クラウドの間でデータを階層化したい
  • 重要なアーカイブデータを別の保存先へ追加コピーしたい
  • LTOテープやアーカイブボリュームを定期的に検証したい
  • プロジェクトや顧客ごとのストレージ使用量を確認したい
  • データの保存期間やメタデータに応じて処理を自動化したい
  • 大規模なデータ移行の進行状況を長期間追跡したい
  • 将来のストレージ容量や保存コストを予測したい