Xsan自体はデータをバックアップする機能を持ちません。Xsanではストレージに故障が発生すると、データの可用性は大きな制約を受け、復旧までのダウンタイムが発生することになります。「PresSTORE Backup」(プレスストアバックアップ) および「PresSTORE Synchronize」(プレスストアシンクロナイズ)はこのようなXsan環境のウィークポイントを補完するために開発されました。
まず「PresSTORE Backup」(プレスストアバックアップ)でデータをハードディスクやテープドライブなど外部のストレージ機器に複製することでデータを保全し、万一障害が発生した場合でもデータを外部メディアに複製したバックアップを使ってデータを元通りにできます。
しかし、データへのアクセスが常時に求められる場合では、リストア完了までの間ダウンタイムが発生するバックアップでは対応することができません。「PresSTORE Synchronize」(プレスストアシンクロナイズ)は、データの同期複製(クローン)を別のストレージ機器につくることで、データを保護しながらダウンタイムの発生を防ぎます。
Xsan環境では、「PresSTORE Backup」と「PresSTORE Synchronize」を組み合わせることで、高速なデータ転送速度を活かした同期複製で、リストア操作の必要を最小に抑え、バックアップとの所要時間を最小にします。
■「PresSTORE Backup」(プレスストアバックアップ)によるバックアップ
「PresSTORE Backup」はXsanにバックアップによる強力なデータ保護をもたらします。バックアップ処理は自動的に保護対象となるすべてのデータを認識し、メディアチェンジャーやNASボリュームなどのバックアップ先ストレージに複製します。
この自動方式のバックアッププロセスは、複製されたデータを離れた安全な場所に保管するような場面にも特に便利です。
■「PresSTORE Synchronize」(プレスストアシンクロナイズ)を使ったデータの可用性
リストアが伴う従来のバックアップでは、生産活動の継続性を保全するには不十分でした。多くの場合、データの可用性は営業時間を通じて、あるいは24時間保証されていることが求められます。「PresSTORE Synchronize」(プレスストアシンクロナイズ)は、データを常時監視し、データの変更・追加に応じて同期複製先のターゲットストレージにデータの複製を同期しつづけます。
上書き更新されるなどした古いバージョンデータや、全体のスナップショットも簡単にアクセスできます。FSイベントに対応し、XsanをP4は非常に効率的に保護します。
■Xsanとは?
Appleのクラスタファイルシステムを利用したXsanはMac OS X のSANであるとも言えます。Xsanにより、複数のコンピューターがRAIDなどのストレージボリュームを高速なファイバーチャネルネットワークで共有することができます。RAIDシステムはSANのストレージとして使用されます。複数の端末からのアクセスは、メタデータコントローラによって実現されます。通常障害への対策として、ファイバーチャネルスイッチや、メタデータコントローラなどのアクティブ構成と、リダンダント化された構成部品により冗長性を確保しています。Xsanへのイーサネット経由のアクセスは、AFP, SMB/CIFS,NFSなどの共有プロトコルによって可能です。