カスケーディングコピーの環境設定と使用例

カスケーディングコピーの利用時では、2次コピージョブを個別に制御すると便利な場面が発生します。
たとえば、低速なドライブへの2次コピーを1次コピーのオフロードジョブと並行して始めてしまいたいようなケースです。
読み込みと書き込みを同時実行できるRAIDストレージなどの機器を利用すれば、この設定で全体のコピー速度を高速化し、完了までの時間短縮を図れます。

カスケーディングコピーについての設定は、Silverstackの「Preferences」(環境設定)メニューの「コピー」セクションから行えます。

cascading prefs01
図 1: カスケーディングコピーについての環境設定

 「Execute “Second Run” jobs independently」(2次コピーを個別に実行する) チェックボックスをチェックしない状態では、「Copy Performance」セクションで設定した、並列ジョブの数に応じてコピージョブを実行します。

この例では、2次コピーの個別実行のチェックボックス無効にすると、ジョブは逐次順番に実行され、カメラメディアリーダーが1スロットしか無い場合には1次コピーの完了を待ってから2次コピーが開始されるのでオフロードの速度が低下することになります。

以降は、この「2次コピーの個別実行」チェックボックスを有効にした状態を想定して解説します。

カスケーディングコピーの使用例

複数の収録メディア(図ではA, B, Cで表記)が使用され、単一のメディアリーダーが存在する環境を前提に解説します。
この環境下では、パラレルで実行される2次コピージョブの数が全体のコピー速度を左右します。
低速なコピー先がパラレル書き込みに対応できない場合には、「parallel “second run” jobs」(パラレル2次コピー数)をデフォルト値の「1」にしておくことをおすすめします。この例の環境の場合では、収録メディアからのオフロードは短時間で完了しますが、低速なドライブへの2次コピーは、順番待ちで実行されることになります。

Cascading copy use cases B図 2: パラレル2次コピー数をデフォルト値の「1」に設定

パラレル2次コピー数を「2」または3以上に設定すれば、青色で示した低速な2次コピー先へのコピーがパラレルで実行されますが、コピー速度は多少低下する可能性があります。それでもハードウェアパフォーマンスが充分であれば、全体では最短で完了します。

Cascading copy use cases A図 3: パラレル2次コピー数を「2」に設定

カスケーディングコピー機能を使用しない場合は、すべてのオフロード処理は高速・低速なコピー先に対して並行して実行されます。

Cascading copy use cases C
図 4: カスケーディングコピーを使用しない例