Silverstack - クリップライブラリ - メタデータ操作:ビュー、整理、追加、クリップフィルタ

「クリップライブラリ」は、クリップごとの各種メタデータをつかってクリップの管理・分類や検証が簡単に行える、Silverstackの心臓部です。クリップのオフロードやバックアップと同時にクリップライブラリには、クリップとクリップにまつわる各種メタデータ情報を登録します。撮影段階からポストプロダクション工程の全期間を通じて、クリップライブラリからいつでもプロジェクトのすべてのファイルが持つメタデータにアクセスできます。

Silverstack上でメタデータを使ったクリップの管理や分類、メタデータの追加や編集といった作業を行ったとしても、Silverstackは元のデータやバックアップされたファイルとは別に改変・編集されたデータを保持するので、元のデータを改変してしまうようなことはありません。

クリップライブラリでメタデータを追加・編集する大まかな流れを解説します。

メタデータの入力

メタデータはクリップについての次のような様々な属性情報が与えられます。
メタデータには下記の種類が存在します:

  • timecode - タイムコード
  • resolution - 解像度
  • sensor frame rate - センサー・フレームレート
  • Take, Shot, Scene - テイク、ショット、シーン
  • Reel name - リール名
  • その他

解像度やリール名、露出などの情報は、収録時のカメラが付与したテクニカルメタデータですので編集はできません。シーン、ショット、テイクといったテクニカルメタデータ以外の情報は追記・編集できますが、オリジナルの収録ファイルに書き戻されるわけではありません。オリジナルファイルを改変する代わりに、Silverstackはこれらの記述型メタデータを元のクリップファイルに対応する別体ファイルとして保存し、クリップとリンクさせて保存します。こうしたアプローチでSilverstackでは元ファイルの情報を保管するメタデータを簡単に追加・改変・編集を実現しています。

メタデータはインフォメーションパネルの「General」および「ユーザータブ」から編集できます。
「General」タブからの編集内容は複数のクリップに対して反映することができます。複数クリップへの編集を行うには、メタデータフィールドの右にあるペンをかたどったアイコンをクリックし、編集後「Apply」をクリックします。

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図1: 情報パネル - Information panel

コメント、レーティング、フラッグ等のメタデータは「ユーザー」で編集が行えます。選択中の特定のクリップだけが編集操作の対象になります。

  • フラッグ: クリップをフラッグ(figure 2 #1)する事で、フラッグ記号が付きます。
  • レーティング: 各クリップを0~5で評価(figure 2 #2)する事ができます。
  • コメント: クリップを説明する情報を記入します(figure 2 #3)。
  • ラベル : 各クリップにラベルをつけて分類します。ドロップダウンメニューに表示される各ラベルはSilverstackの環境設定(Preferences)で編集することができます。また、ドロップダウンメニューからも編集操作が行えます。

 

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図2: Informationパネル - “User” 項目

  • キューポイント : キューポイント一覧では、クリップごとのすべてのマーカーを表示します。
    クリップが持つマーカーの状況を把握しやすいように、マーカーをプリセットで定義したカテゴリから指定することができます。マーカーの追加や、既存のマーカーの削除、次のマーカーへの移動ボタン操作は、左下のボタンから行えます。

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図3: Information パネル – “User” 項目: キューポイント


クリップインフォメーションビュー – Clip Information View

メタデータは「インフォメーションビュー」から調査、編集、追加操作できます。インフォメーションビューへの切り替えは「ライブラリ」から「インフォメーション」にビュー表示を切り替えます。
クリップインフォメーションビューには下記の情報が表示されます。

  • General (全般):クリップのメタデータの概要
  • User ユーザー 情報:評価、コメント、キューポイントなどの追加情報
  • File ファイル情報:ファイルリソースやクリップがコピーされたディスクの情報
  • Header ヘッダー情報:クリップから抽出されたメタデータ情報

 

テーブルビュー

クリップテーブルビューは、クリップの各種メタデータを一覧で把握できます。一部の項目は編集が可能です。また、各項目間をタブキーで移動することもできます。
テーブルヘッダのクリックでメタデータフィールドの表示・非表示が切り替えられます。表の列もドラッグ操作で入れ替えられます。

「Quick Entry」パネルの使用

「playback view」の「Quick Entry」パネルではキーボードのショートカットキーを使う事で、選択しているクリップのメタデータを簡単に編集する事ができます。利用可能なコマンドは下記の通りです:

1. 評価 - Rating ⇧+⌘+A
2. コメント - Comment ⇧+⌘+S
3. ラベル - Label ⇧+⌘+D
4. シーン/ショット/テイク - Scene/Shot/Take ⇧+⌘+T (figure 4)


またSilverstackメニューの「Edit > Clip > Quick Entry」からパネルを開く事ができます。

 

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図4: Quick Entry panel for Scene/Shot/Take information


メタデータによるフィルタ

ライブラリに追加・編集されたメタデータがより多く的確であるほど、クリップの分類や属性による検索性が高まり、管理・分類がより便利になります。

検索機能

画面右上のサーチフィールドからすべてのメタデータ項目を検索できます。キューポイントを検索するには、インフォメーションパネルのUserタブの下にある検索欄を使用します。

スマートフォルダ

スマートフォルダは条件の属性に該当するすべてのクリップを自動的に分類するフォルダです。プロジェクトを開始した時点で「Registered today(本日登録分)」など、デフォルトでいくつかのスマートフォルダが用意されています。

スマートフォルダを作成するには、画面左下の「+」ボタンをクリックし、「Add Smart Folder」を選択します。

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例 : フラッグがついた先週のクリップを自動抽出するスマートフォルダ



メタデータのエクスポート

次のような状況で、別のワークフロー工程向けにファイルを出力してメタデータを徹底活用する場面があります。

  • Reports(レポート) - 全てのクリップの概要が含まれるレポートをPDF/htmlファイルとして作成します。
  • CSV、XML – ExcelやNumbersにインポートできるフォーマットのファイルを作成します。
  • Final Cut Proへ転送 – クリップとメタデータをFCP7・Xに転送します。
  • AVID Media Composerへ転送 – ALEファイルにより、メタデータとクリップをAVID Media Composerに転送します。


注意 : すべてのトランスファーフォーマットは同じレコード数の情報を持つ必要があります。メタデータワークフローはフォーマットごとに異なり、また使用するツールごとでも異なるからです。