Archiware PresSTORE / P5のディザスタリカバリについて

「How to recover PresSTORE from scratch」


アーカイブサーバーやバックアップサーバーの完全なクラッシュに際して、システムを最初からセットアップしなければならない場合を想定した、復旧手順方法についてのドキュメントです。バックアップサーバーやアーカイブサーバーが完全にクラッシュしてしまった場合など、サーバーのすべてのディスクのデータがOSを含めて、インデックスやPresSTORE/P5の設定情報のすべてが破壊された状態での復旧方法です。

※P5バックアップはバックアップインデックスと設定情報がバックアップデータと共に保存されるのに対し、アーカイブでは、アーカイブインデックスはアーカイブ先のメディアには保存されません。アーカイブインデックスの保護については、他のモジュールを組み合わせるなどして、インデックス情報の格納先ディレクトリ内のデータをバックアップする事が必要です。

サーバーがクラッシュした場合には、ハードウェアを正常な状態に戻した上で、おおまかに次の流れでリカバリを実施し復旧します。

  •  PresSTORE / P5アプリケーションのインストール
  •  PresSTORE / P5設定情報の復旧復元
  • サーバー上のファイルの復旧復元


■ PresSTORE / P5アプリケーションのインストール

まず、動作していたハードウェアを正常な状態に戻した上で最初のステップを行います。
PresSTORE / P5をインストールします。ライセンスを取得していない試用版の状態でも復旧作業に支障はありませんので、インストーラをダウンロードの上、インストールを行います。


■ PresSTORE / P5設定情報の復旧復元

インストールが完了したら、次のURLでウェブブラウザからログインします。
http://localhost:8000/login
ブラウザボタンをクリックして開始します。(ポップアップウィンドウを有効にしておく必要があります)
ブラウザウィンドウで、メニューからEdit -> Restore configuration を選びます。
次のサブウィンドウで、クラッシュ前のシステムが直近に保存した、システムの設定情報の保存先ディレクトリを指定する必要があります。
保存先はシステムハードウェアの構成により、テープドライブやディスクボリュームなど適切な読み込み先を指定します。

■バーチャルジュークボックスの場合

(ハードディスク上に設定情報およびデータが保存されている場合)
アーカイブやバックアップで直近に使用したバーチャルジュークボックスのハードディスク上のファイルを指定します。

■ SolarisまたはLinuxの場合

使用するテープドライブに関連づいたデバイスファイルを指定します。


Linuxでは

/dev/scsi/sgN
のファイルネームです。(Nはテープドライブまたはジュークボックスのロジカルナンバーを示します)通常ではSCSI-IDが割り当てられます。

Solarisでは

/dev/rmt/Ncn
が、テープデバイスのファイルネームになります。(Nはテープドライブまたはジュークボックスのロジカルナンバーを示します。chはアクセスの際のcompressed およびnorewindオプションを示します)

Macでは

Darwinがデバイスファイルを磁気テープの取り扱いに使用しない理由で、事前にデバイスファイルを作成しておく必要があります。
PresSTORE / P5は通常Mac上でファイルネームをもとにSCSI-IDを特定します。
下記の例でターミナル上で「awstN」という名前でファイルを作成します。
touch /usr/local/aw/conf/dev/awstN
Nはテープドライブのロジカルナンバーを指定します。通常はこのロジカルナンバーはSCSI-IDです。


Windowsでは

ドライブにアクセスするには、UNCパスが事前に設定されている必要があります。
SCSIテープのUNCネームは、次のようになります。
{//./TAPEn}
nはテープドライブのロジカルナンバーです。通常はこのロジカルナンバーはSCSI-IDです。
お使いの機器の正しいUNCネームについては、機器のマニュアルをご参照ください。Windowsの場合{}で囲むことを忘れないようにしてください。

正しいUNCネームを入力したら、直近に書き込んだテープがドライブに挿入されているかを確認してください。PresSTORE / P5は設定情報の読み込みをドライブから行います。設定情報がリストアされたら、PresSTORE / P5サーバーは自動的に再起動します。この際、ブラウザウィンドウが正常に表示されなくなり、新たにログインする必要がありますのでご留意ください。

ハードウェア構成が変更された場合には、以前の設定のままでは使用することができません。この場合、設定が復元されたら、ジュークボックスまたはシングルドライブを消去し、新たに作成し直すことを求められることがあります。

以上でライセンスを含めた設定情報が復旧され、次のインデックスファイルの復旧手順に移ります。

 

■ PresSTORE / P5バックアップインデックスの復旧

PresSTORE / P5バックアップインデックスは、バックアップの際に自動的にテープに記録保存されます。これによりサーバーがクラッシュした場合でも復元することができます。バックアップインデックスを復旧するには各バージョンごとに次のメニューを選択します。

PresSTORE 3の場合

ブラウザウィンドウから、 General Setup -> Databasesを選びます。

P4 および P5の場合

Advanced Options, Manage Indexes を選びます。

復旧を行う対象のデータベースを選び、画面下のボトムバーからチェックボタンをクリックします。このチェックによる選択項目では、データベースのチェックを行います。

以上でバックアップされたファイルへのアクセスが再び行えるようになり、バックアップからのリストア操作ができるようになります。

■ PresSTORE / P5アーカイブインデックスの復旧

アーカイブの場合はバックアップと異なり、自動的にインデックスは保存されません。
ですので、そのままではアーカイブサーバーがクラッシュした場合、ベアメタルリカバリは実施できません。
対策として、アーカイブインデックスの保全のために、Backup や SynchronizeなどPresSTORE / P5の他のモジュールを併用して下記の階層のバックアップを取っておくことが必要です。

アーカイブインデックスと、プレビューファイルの保存先は次のようになっています。
- PresSTORE 4.x アーカイブインデックスと、プレビューファイルの保存先パス
conf/index/archive
- P5
config/index/archive

Unix系、Macの場合のパスは次のようになります。
/usr/local/aw/config/index/archive

Windowsのデフォルトのパスは次の例です。
C:\Program Files\ARCHIWARE\PresSTORE\config\index\archive.


■ 新しいホストへのPresSTORE / P5の復旧

PresSTORE / P5のライセンスはマシンごとに固有のホストIDに紐付けされていることをご留意ください。
旧マシンが完全に動作しなくなった場合など、別のハードウェアサーバーに対して復旧するには、