ワークフローから不安を取り除く、Mac OS Xへのソリューション… Datumpress社


イギリス、ロンドン近郊のハットフィールドに本拠を構えるDatumpress社は、デザイン、アートワーク制作、プリフライト(出力前にデータを確認する作業工程)、プルーフィング、ファイル転送など、印刷物にまつわる業務で、高品質なパンフレット、パッケージなどの幅広いデザインを制作しています。1988年の創業以来、カスタマーサービスと顧客満足を最優先に掲げた事業展開により、顧客を維持しながら新規ビジネスを獲得し続けててきました。およそ40人の従業員を抱え、クライアントには優良な上場企業が多数名を連ねています。

順調に成長してきたDatumpress社ですが、成功に問題はつきものです。

スコット・ピアース氏、IT担当ディレクター:
「我々はクライアントに最高のサービスを提供するためにハードワークを厭わず全力を尽くします。そうすることで、これまでに新規顧客を増やしてきました。しかし、新たな技術を導入してクライアントに提供するサービスの幅を広げるか、それとも社員を増員して従来の業務を単純拡大するかの選択に迫られる局面を迎えていました。特に制作中の作品データの管理方法の改善と、過去に保存した制作データへのアクセス性の向上は切実な解決課題でした」

「我々は膨大な点数の画像とアートワークを制作しますが、データは顧客のために長期保管しなければなりません。平均して、1日に制作されるデータは30~40GBにのぼり、従来の環境では、データをDVDにアーカイブした上でジョブの管理番号をつけて保管していました。当社も業界でよく使われているRetrospectでバックアップを取っていましたが、データの量の多さからバックアップ処理を終日続けて作業しなければならず、その負荷はネットワークを非常に遅くしていました」

クライアントからの要請や、自社内で過去の制作データが必要になった場合は、アーカイブのなかからまずジョブを特定し、マシンでリトリーブの作業に入ります。ジョブの特定には2,3時間かかることもあり、さらにデータを復元しようとしてもバックアッププロセスが絶えず実行されていることが妨げとなってリストアもままなりませんでした。つまりシステムが最大のボトルネックと化していたのです。この問題を解決するために数多くのソリューションを検討しましたが、どれも当社が必要とする柔軟性を提供しませんでした。最終的に技術コンサルタントがJPY社を紹介して、我々の問題解決と要件を調査しはじめました」

「当社が抱える諸問題を解決し、業務を拡大して業績の成長に貢献できる新たなワークフローソリューションのプロポーザルがコンサルティングを経て提示されました。

ソリューションは3つの重要なソフトウェアコンポーネントで構成され、そのうちPresSTOREがアーカイブとバックアップ部分を担当します。ソフトウェアが動作するデュアルプロセッサのXserveには、RAIDストレージとプラズモン社のDVDジュークボックスアーカイブ装置が接続されます。

アーカイブされた制作物データをリストアしたい場合、DVDジュークボックスにPresSTOREから直接アクセスできます。数秒で完了するので時間が無駄になりません。さらにPresSTOREには、データセキュリティにまつわる更なる利点があります」

「PresSTOREを使って、もう一つのRaid装置に制作作業中のデータを常に同期複製させ、この複製データをメインのバックアップとして機能します。しかし、それは作業中の生きたデータを、そのまま元のストレージからレプリケーションによりクローンしたものです。つまり、メインのストレージが故障した場合でも、セカンダリのストレージに切り替えて運用を続行することができるのです」

PresSTOREは、アーカイブされたファイルの簡潔なプレビューを提供します。QuickTimeベースで、Mac OS Xのメディア・ファイルのプレビューが生成されます。夥しいグラフィック・フォーマットへの対応に加えて、ビデオとオーディオ・ファイルにも対応しています。

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導入が成功すると、また新たな問題が生まれるものです。ピアース氏はここでようやく悩みを打ち明けます。

「このソリューションには1点だけ気がかりな問題があります。それは会社の成長が続いてしまうことです。ウェブパブリッシングシステムの導入以来、当社は顧客から非常に高いレベルの信頼を得ることで新規顧客を獲得してきました。実際、我々はすでにデータストレージとサーバーの増強を計画ずみです。仕事が増えてさらにスタッフを増員することになるかもしれません!」

なんとも羨ましい悩みです。